she_ka’s diary

趣味のことを色々と。

かがみの孤城

今回は辻村深月著「かがみの孤城」について。

前回のコナンの記事、読み返したら自分が馬鹿みたいに興奮しててちょっと恥ずかしい。消さないけど。

落ち着いたので、かがみの孤城について書きます。真面目に。

本屋大賞とりましたね。

ノミネートされたのは知ってたんですけど、大賞発表の日を完全に忘れてて、先週の土曜日に漸く知りました。どっきどきしながら王さまのブランチ見てた。

辻村深月さん大ファンなので嬉しかったです。

この作品、まず目につくのは装丁じゃないですか?すごくきれいな表紙で、好きです。貧乏人なので基本的に文庫本しか買わないんですけど、この作品が本屋にずらっと並んでたらつい買っちゃいました。

内容は、なんていうか…。やっぱ辻村深月さんだよね。文章の雰囲気から大好き。

不登校になった経験はないけど、ところどころ思い出す感覚がありました。

特に、あの、学校を休んだ時に昼間起きると外から小さい子どもの声とかそのお母さん達の話し声が聞こえる感じ。すっごく懐かしかったです。

私、中高のころたまーに学校休んでたんですね。月に一回くらい。なんか朝起きたら無性に学校行きたくなくて、あれ?お腹痛いかも?みたいな。当時も思ってたし、今考えれてもただのサボりです。

学校で嫌なことがあるわけでもないし、行ったらちゃんと楽しい。だけどなんとなく行くのがめんどくさい。実際、そこまで行く必要性は感じてなかったのかも。勉強もね、1日くらい休んでも問題なかった。自慢ですけど、わりと優秀なほうだったので。

まあ、大抵休んで、昼まで寝て、起きたら後悔してました。あー、行けばよかったなって。そんな時に外から聞こえる日常的な話し声とか物音って、なんだか罪悪感を増幅される気がしました。自業自得なんだけど。

そんな感覚を久しぶりにこの作品読んで思い出しました。すごいな。懐かしい。

この作品全体に張られてる謎はわりと早い段階で気づきました。ほとんどの人が分かったんじゃないかな?

でも、そんなことどーだっていいんです。辻村深月さんの作品の根幹はミステリじゃないと思ってるので。

こんな言い方したら失礼かもしれないけど、私の中で辻村深月さんの作品ってミステリに分類してないんですよね。じゃあ何なんだって言われても困るけど。

なんていうか、ミステリ要素はちょっとしたおまけというか。仕掛けの一部というか。だから基本的には謎解きしながら読んだりはしないです。最後まで読んで、「そんな仕掛けがあったのか!」っていう読者へのご褒美的な。

私がいつも楽しみにしてるのは、日常の閉塞感とか悪意とか、ほの暗い部分。それに対照的に存在する救いの大きさ、みたいな。そのあたりの雰囲気が好きです。「凍りのくじら」読んだときはその暗い部分がドンピシャで当てはまって病みました。

なんかめちゃめちゃ抽象的で、意味わかんないですけど。とりあえず私は辻村深月さんの作品を読んでいつもどん底に突き落とされます。それで最後にはちゃんと「救われたな」っておもいます。

この感じが堪んないです。ただのドMだよね。

この作品、大好きだけど、一つ言いたいのは、辻村深月はこんなもんじゃないぞってこと。

いや、本当に失礼は承知で。

もっともっと素敵な作品あります。この作品を辻村さんを知るきっかけにして貰えればいいけど、この作品で止まって欲しくない。

かがみの孤城がど真ん中に突き刺さらなかった人も是非違う辻村作品読んでみてください。絶対に突き刺さる作品に出会えます。

私は「名前探しの放課後」と「凍りのくじら」。生きてく上で大きな栄養になってると言える作品です。

実はこのかがみの孤城を今年卒業した先輩にあげてしまって。手元にないのであまり詳しく書けないので残念ですが。

この作品が、先輩の漸く始まった医師人生にとって少しでも栄養になったらいいな。というちょっとセンチメンタルになったところで今回は終わります。